BANCHINI バンキーニ

BANCHINI イタリアパルマ最古のチョコレート店

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パルマ 地形と歴史が作った美食の都

パルマは世界中に名を知られた美食の街で、

2015年にUNESCOから「創造性に富んだ美食の街」として認定されました。

 

ポー川が作った豊かな平野では、

パルミッジャーノ=レッジャーノチーズや、生ハム、クラテッロやサラミなど、

美味しい食材がたくさん生まれてきました。

 

また古代ローマ時代から交通の要所で、

様々な民族がやってきてはこの地を治めたので、

多様な食文化が発達しました。

 

パルマ最古のチョコレート店

ご紹介する「バンキーニBANCHINI」は、そのパルマ最古のチョコレート店、

写真の若い兄弟が、現在のオーナーです。

 

「バンキーニBANCHINI」はおいしいもののあふれたパルマで長年愛されましたが、

第2次世界大戦で空爆を受け、

当時の当主はチョコレート店を諦めてしまいました。

 

現在の当主である30代のこの若い兄弟は、

台所の梁の上に載った美しい箱を見て育ちました。

 

その箱こそ、かつてパルマで愛された、栄光あるチョコレートの箱。

彼らは長じていつか店を再興しようと決心し修行しました。

同時にあちこちでかつての「バンキーニBANCHINI」の資料を探し回り、

とうとう大叔父さんの家の倉で、昔のレシピ集を見つけたのです。

 

再興は2012年のことです。

 

「バンキーニが街に帰ってきた!」

最初兄弟はこつこつとチョコレートを作っては、

あちこちの店に置いてもらっていました。

そして少しずつお金を貯めて、

2015年に初の店舗をパルマの歴史的街区のすぐ外に構えました。

 

そのお店がとても繁盛して、

1年たたないうちに今度はとうとうパルマのど真ん中にも店を開きました。

 

「あのバンキーニが街に帰ってきた!」と、

中央店の開店の日、パルマの人々が殺到しました。

 

中央店は小さな小さな構えの店ですが、

小振りな広場に面していて、店のジェラートを片手にした人々が、

楽しそうにおしゃべりしています。

 

バンキーニは歴史も深く品物も上等ですが、

けっして特別な人のための特別な店ではありません。

 

小さいお孫さんの手を引いたおじいちゃまおばあちゃま、

笑いさざめく学生のグループ、

静かなカップル、そして休憩中のガテン系の職人さんまで、

様々な人々がふらっと入ってきては

おいしいものを手にして出て行きます。

 

バンキーニの品は、日々の暮らしの中の上等なおやつ、なのです。

 

Banchini

創業当時の「バンキーニBANCHINI」 パルマのど真ん中、ガリバルディ広場にありました。

 

バンキーニのチョコレート作り

バンキーニのチョコレート作りはいたってシンプル。

できるだけ上等な材料を集めて伝統的なやり方で丁寧に作る、

それに尽きます。

 

カカオ豆はベネズエラ産のクリオロ種とトリニタリオ種。

木の実はイタリアで最高品質のもの:

ピスタチオはシチリアのブロンテ産、ヘーゼルナッツはピエモンテのランゲ産。

乳製品はできる限りパルマのものを使っています。

 

秋が深まると生産を始めて、

年を越えて復活祭を過ぎると止めてしまいます。

 

冷蔵庫や冷房が発達した現代でも、

外気温が22度を超えると最高においしいチョコレートは作れない、

とバンキーニ兄弟はいいます。

 

え?チョコレートを作れない夏は店を閉めているの?

ご心配なく、

おいしい材料を集めて夏はジェラートを作っています。

これがまたおいしいんですよ。

 

バンキーニ兄弟からのメッセージ

「昔々1人の若者がいて、

いつか世界中の人々をパルマのお菓子で夢中にさせるぞ

と意気込んでいました。

 

チョコレートの技術を学んだ彼は、

1879年にチョコレート工房 バンキーニBANCHINI を興します。

 

彼の名は、ジャン=バッティスタ、私たちの高祖父です。

 

彼は諦めることなく長い時間をかけ、とうとう夢を実現しました。

彼の品はお子さんから年配の方まで、

たくさんのチョコレート好きの舌を楽しませましたが、

そのおいしさは町を超えてあっという間に広まり、

ヨーロッパ中に知られるまでになりました。

 

何世代にも渡る人々を虜にした品を、

高祖父と同じ情熱で今もお届けできることを、

私たちはとても誇りに思っています。」

アルベルト&ジャコモ バンキーニ